Story

From 100 years ago

今から100年ほど前、大正時代に私の曽祖父により石巻市湊町にオープンした小さな酒屋が「北村酒店」です。販売、配達を主な業務とし、売り場は湊町に働く造船技師、漁師たちが日々の仕事を労い、酒を飲み交わす憩いの場として開かれていました。曽祖父が亡くなった後は祖父、祖母が商売を行い、二人が亡くなった後は建物が北村家の住まいとなりました。

(東日本大震災により北村酒店としての写真はこの1枚しか残されていない。看板にあるように北村商店と呼ばれることもあった。)


2011.3.11

2011.3.11 東日本大震災により、その建物は甚大な被害を受け崩壊。現在は更地となっています。

私が 3 才の時に祖父が亡くなり、私には祖父の記憶はありません。私の記憶の片隅にある北村酒店は店を切り盛りする綺麗で上品な祖母と、酒屋に集まる陽気な湊町の人々の笑顔で溢れています。

(東日本大震災から約1ヶ月後の写真。店舗、蔵、家、全てが崩壊し津波に流された。)


2017.6.7

「北村酒店」のオープンから 100 年。北村家の後継である私が酒屋から形を変えて、しかし、大切にしてきたものを引き継ぎ、新たな店をオープンしたいと考えています。この街に暮らす色々な人々が集まり、交流し、笑顔が溢れる場所、それが「北村笑店」です。

(北村酒店の酒瓶。震災により現存するものは 3つのみ。屋号、北村酒店、石巻湊と記してある。)

代表取締役 北村誠悟


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